室町時代にもっとも盛んになったといわれる禅文化。その禅文化を今に伝えるお寺、大仙院では、毎月24日に定例座禅会を、さらに毎週土曜・日曜の夕方に週末座禅会が開催されています。座禅をしてみたいという人なら誰でも歓迎という垣根の低さで初心者でも優しく迎えてくれます。
情報を遮断し、自分と向き合う時間を得る
座禅というと修行のようにつらいものなのでは?と考える人もいるかもしれませんが、体験したあとは心からストレスが吐きだされ、ゆったりと満たされたような感覚を覚えます。大和宗貴和尚は言います。「毎日に一生懸命生きている人ほど、一方向しか見えていません。あらゆる雑念を全部捨てて、いろんな方向を見る時間にしてください」と。現代社会は目から耳から、ありとあらゆる情報が押し寄せてきます。座禅をしている間は、それらをひととき遮断し、自分と向き合える時間になります 。
豪華絢爛から質実剛健まで多彩なお寺が存在する京都。その中にあって、簡素な中にも合理的な美が宿る大仙院のたたずまいに、日本独特の引き算の美学が息づいているようでした。そんな国宝のお寺の中で気軽に座禅ができるとはありがたい限り。1回、2回の体験ではもちろん心を無にする境地までは至りませんが、それでも邪念を払って心静かに自分と対峙する時間をもつことは、ストレス社会に生きる現代人にとってとても有意義なことではないでしょうか。
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